旦那の旦那による旦那のためのブログ

新米旦那が綴る日々思うこと

エアコンを買ったら壁に取り付け出来なかった話

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こんにちは、わかやまだんなです。


先日、過去記事でもお伝えしたとおり妻と同居し始めました。
www.waka-danna.net


同居するにあたって新しい部屋を借りることに。借りた物件はできたてほやほやの新築物件。私達が住人第一号。それに関しては気分が良くて文句はない。

物件に潜む罠

ただこの物件には大きな罠が潜んでいた。それは部屋のエアコンを自分で用意する必要があること。しかも2LDKなので、3台も!である。これを聞いたとき、そんな馬鹿なことがあるのか!と内心驚きを隠せなかった。これまで実家を出て延べ7回目の引っ越しとなるが、エアコンは全ての賃貸物件にデフォルトでついているものだと思ってた。


エアコンは贅沢品。昔はよく言ったものである。しかしそれも過去の言葉。死語とも言っていい。今の時代は電気、水道、風呂、トイレ、インターネット、そしてエアコン。現代人が現代人らしい生活を送るための最低設備。ライフラインとも言える要素の一つ。それがエアコンである。現代っ子な私はどれが欠けていてもまともな住環境とは言えないと思っている。

そんなエアコンが新しい物件にはついていないと目の前の不動産屋は飄々とした表情で語る。「新築なんだからそれだけでプレミアムでしょ?だからエアコンはそっちで用意してね!」と賃借人の足元を見たような態度(だとこっちが勝手に思い込んだのだが)に少々憤りを覚えながらも、新築ゆえの人気物件である。

同クラスの物件と比較して家賃も手頃。スーパーも近い。職場も自転車で行ける。奥さんの実家も近い。駅も徒歩圏内。と立地も申し分ない。エアコンが無いからと引き下がる理由も無かったので渋々了承する。

ヤ◯ダ電機との攻防

そうと決まればと、近くのヤ○ダ電機にエアコンを物色に行くことに。始めは下見。価格交渉の定石である。それとなくエアコンを求めている事を匂わせつつ、今日は下見というオーラを纏う。値段を確認したあと他店で同じ機種を見積もって、最後は一軒目でダメ押しの交渉。これで完璧。寸分の隙もない完璧なプラン。

と考えていた15分後、店員の巧みな話術に翻弄されて一軒目で買う気満々になっている自分がそこにいた。グイグイと獲物を追い詰める狩人の気迫に勝てるほど私は人間が強くない。

しかし値段の話になるとこちらも引き下がる訳にはいかない。なにせこちらはエアコンを3台も購入する上客だ。私は格好の獲物であると同時に、レアポケモンなのである。向こうとしてはマスターボールを投げてでもゲットしたい伝説ポケモン。無傷ではゲットできない事などは自明の理である。

交渉はネット価格をベースに。これが現代のやり方。実店舗を持つ電気屋さんは「ネット価格は無理」と必ず返してくる。このやり取りは儀式であり、開幕宣言。和歌でいう枕詞。これを経てようやく交渉が始まる。

とは言え、交渉はシンプルだ。「実店舗を持つライバル電気屋さんの価格.com調べの価格」に対抗する。プレミアムはポイントで還元。それ以上は「原価割れ」と言う魔法の言葉で強制的にゴングを鳴らされて終了である。

機種選びから始まって価格交渉、提示までたどり着くのに1時間以上。こちらもここまで時間をかけた手前、他店で再度見積もりなんて面倒の極み。ここらで手を打とうと両者折り合いをつける。

合計3台購入して、購入金額は27万円。これでもかなり粘って値引きをしてもらった。しかもポイントもしこたま付いて、小型家電なら買えるレベル。
正直かなり手痛い出費だった、しかし満足した買い物ができた。決済後は本気で拳を交わした店員さんとお疲れ様と笑顔でお互いの健闘を讃える。ありがとう、ヤ○ダ電機さん。あとは工事を待つだけである。

見つかる罠

工事当日。朝から職人さんが新居に来てせっせと新しいエアコンを運び込む。慣れた手つきで資材を搬入し、エアコンの取付工事にとりかかる。

リビングと六畳間と寝室。3台の取付はなかなか酷だろう。しかも七月である。天気は快晴。窓を開けているとは言え、立っているだけで汗が滴り落ちるほどの暑さ。エアコンはない。エアコンを取り付けに来ているのだから当然だ。暑い夏、寒い冬そんな季節にエアコンのない部屋にエアコンを取り付けにいく仕事。

並大抵の覚悟で出来る仕事ではない。過酷な環境で、黙々と工事をこなす職人さんに敬意を感じながら、もし転職してもエアコン工事屋さんにはならないでおこうと心に決めた。


そうこうしているうちに、六畳間とリビングのエアコンを手際よく取り付け終わり、残すは寝室のエアコン取付のみとなる。始めは壁を傷つけまいかとヒヤヒヤして、逐一職人さんの行動を監視していたが、2台取付終わって職人さんの技量を理解したので、3台目は任せていた。

工事を任せてリビングの掃除をしていると、職人さんが怪訝な顔をしながらこちらに向かってきた。私の目の前まで来て言った。「エアコン取り付けられません」一瞬何を言っているのか分からなかった。さっきまで花咲かじいさんが枯れ木に灰を撒くかのごとく華麗にエアコンを取り付けていた職人さんの口から発せられると想像できない言葉。

スランプ…?スランプなのか!?昨日まで悠々とホウキに乗って空を飛んでいた魔女のキキが突然飛べなくなったように、この職人さんも突然スランプに陥り、エアコンを取り付けられなくなったと言うのか。うんうん、人間そういう時もある。そういった試練を乗り越えて強くたくましく成長していくんだ!と励ましの言葉を掛けようと思ったが、どうもそうではないらしい。

職人さん曰く、エアコンと壁の穴の関係がどう嵌め込んでもマッチしないとの事。現場を見に行くと確かにおかしい。エアコン取り付けは、はじめに壁に専用の下板(鉄板)を取り付けて、あとで本体を引っ掛ける構造になっている。下板は、エアコンから出た配管を避けるように切り欠いてあり、壁の穴と切り欠きがマッチすればエアコン取り付け可能だと判断できる。

職人さんが持った下板を壁の穴に合わせてみる。すると、左に合わせると本体が壁と干渉し、右に合わせると窓に干渉する。上にズラすと、本体と天井の隙間がほぼなくなり、本体前面パネルが開かない(=フィルタ掃除や修理出来ない)となる。下はエアコンの仕組上不可との事で、四方塞がり。藤井四段も驚きの見事な詰みである。

幅方向は穴と下板を少し干渉させると取り付きそうだが?と提案すると、穴にはスリーブが入っているため、壁に対し段差がある。無理矢理つけるとエアコンが浮いてしまうからNGと職人さん。

残る手はスリムタイプのエアコンを穴の上側に取り付けるしかないと言う。現物を見る限り職人さんの言い分は間違いが無さそうだ。幾多の修羅場を潜ってきたエアコン職人も穴の位置が悪ければ取り付けられない。彼もまた穴に人生を狂わされた一人。被害者である。(なにが"また"なのかよく分からないが)


とりあえず、この場でどうしようもないと言うことと、エアコン機種交換は問題なく対応出来るとの言葉を頂いたので、寝室の取り付けはやめて帰って貰うことにした。ありがとう神対応のヤ○ダ電機さん。

今思うと数千円をケチってネットでエアコンを買っていたらどうなっていたことやら…。心底ヤ○ダ電機で買って良かったと思った。やはり大きな買い物は人と人とが顔を合せる対面販売に限る。大切な教訓を得た気がした。

不動産屋との攻防

職人さんが帰って一段落したのはいいが、代わりのスリムタイプのエアコンを用意しなければならないことは変わりない。しかも、結婚式と新婚旅行と引っ越しを一ヶ月で詰め込んだ過密スケジュールの中の貴重な週末を使っての工事。引っ越すまでに工事のチャンスはあと一回しかない。今日中にエアコンを選び直して段取りをせねば。

しかし、焦りとは対象的に冷静な自分がいた。そもそもこんなことになったのは何が原因だろうか。今回とりつかなかったエアコンはごくごく一般的な機種。普通の部屋に普通のエアコンが取り付かないなんてあり得ない。

百歩譲って部屋の構造上スリムタイプのエアコンしか取り付かないとしよう。だったら事前に不動産業者側が入居者に対してその旨を連絡しておくべきである!重要事項説明レベルだ。しかし、そんなこと聞いてない。奥さんに聞いてもそんな説明無かったと言う。念のため契約書も確認したが、記載がない。

自分のなかの修羅がゆっくりと目覚めていくのを感じた。これはあのパターンだ!絶対に勝てるパターンや!進研ゼミの
「あっ!これゼミで見たことある問題だ!」的な、コナンが真相を突き止めたときに頭に走る電撃のような、ガンダムのニュータイプが超感覚を発動する時のような、そんな感覚を覚えた。

スリムタイプのエアコンは普通のエアコンより値段が高い事は確実で、差額がでるのは間違いない。これは私にとっての損失であり、不動産業者の説明不足が招いた事故である。責任は当然不動産業者にあり、その差額は請求出来る!

勝ちパターンを見出した修羅は不動産業者と交渉に踏み切ることにした。おもむろに携帯電話を取り出して、不動産業者の番号を打ち込む。勝利への階段を一段一段と登るが如く、一桁一桁入力する。電話の向こうには何も知らない子羊ちゃんが無防備に買い置きのお菓子を頬張りながら仕事をしているんだろう。

電話がつながる。あえての低いトーン。物件担当者に変わってもらって経緯を説明する。通常のエアコンを買ったこと。職人さんに取り付けられないと言われたこと。スリムタイプならなんとか。交換のこと。差額が生じること。事前の注意説明や契約書に注意の記載がないこと。そして最後に、責任取って差額は払ってくれますよね?の念押し。落ち着いた態度を保ちつつ、主張はハッキリと伝える。

電話口の担当者は始めは抵抗していた。「当社のスタンスとしては“お部屋に取り付けられるエアコンを選んでいただく”となっており…」と言い出したので、
「ふざけるな!普通の部屋に普通のエアコンが取り付かないと素人が思うか?百歩譲ってエアコン購入前に採寸しなかったこちらにも非がある事は認めよう。ただ、注意喚起をしないのは如何なものか。あまりに不誠実すぎる。そもそも部屋の設計思想はどうなっているのだ?市場に出回っている普通のエアコン規格に合致するように穴位置を設計するのがハウスメーカーとして筋ではないのか。」
そして更に、私は伝家の宝刀を振り下ろす。実はエアコンの配置について数日前、別の担当者に相談し、現場も立ち会って貰っていた。「別件で他の担当者にエアコンの取りつけに関して相談したとき、普通のやつなら何でも取り付くと言っていた!」とダメ押しをする。少しずつ私の声が大きく、感情を抑えきれなくなって行く。
こちらの感情を察してか、「事情はわかった。自分に決定権はないから上司と相談する」と回答。そりゃ当然だ。問題ない、俺だってそうする。

ただこっちにも事情はある。今日中にエアコンを買い直さなければ引っ越しに間に合わないと説明。現在午後3時。小一時間で結論を出して折り返すようにと念を押す。

電話を終えて約一時間後、折り返しの電話がかかってくる。「事情は理解した。こっちの説明不足だと判断する。新しいエアコンとの差額は支払う意向。ただし、購入前に機種と価格が決まり次第連絡してほしい。型名と金額が妥当か確認をとりたい。あと、新旧エアコンの購入がわかるレシートのコピーをエビデンスとして出して欲しい」との事。

OK〜!と頭の中の狩野英孝が叫ぶ。全然問題ない。むしろこちらから提案しようとしていたくらいだ。そのくらいの手間は変に疑いの念を抱かれるより百倍まし。こちらは純粋に困って、そして怒っている事を伝えたいのだ。

完全勝利を経て

こうして、結果的にこちらの主張は全面的に認めてもらう形となった。新しいエアコンも無事選び直し、その差額も不動産業者に認めてもらい、後日支払って貰うことに。一連の騒動はこうして収束に向かった。

エアコン一つ取ってこの騒動。実は騒動ネタはいくつかあるのでまた次の機会に書こうと思います。それではまた。

(今回はいつもとテイストを変えてみました。というかこれが本来のテイストだとも言える感じです。いろいろ試行錯誤中ですが、ご了承ください)